薪ストーブ特集



設置プランを練る

●設置場所
 薪ストーブを設置するには、安全性や効果的な暖気の流れ、煙突の位置などを十分に 考えたプランが必要になる。重量が100kgを超える薪ストーブを置くには、床下の基礎 の補強も欠かせない。つまり、薪ストーブをどこに置くのかは、設計時から決めておくの が得策なのだ。建築後に設置する場合も、床の補強には何らかの策を講じなければなら ない。  安全性を考えた場合、最も重要なのは可燃物との距離だ。輻射式のものなら表面の温 度が300℃に達するため、周囲に置く家具や床、壁などから十分に距離をとり、炉台や遮 熱板の設置など防火対策は万全を期したい。薪ストーブの設置には建築基準法や消防法 の火災予防条例によっても規定されているので、専門業者に相談しながら間違いのない ように設置プランを練り上げていく方がよい。  効率よく暖気を室内全体に行き渡らせるには、家の中央に設置するのが一番。暖気が 上昇気流によってスムーズな流れを描き、1階からロフト部分まで効率よく空間を暖められる。また、輻射式の場合はストー ブ全体から熱が発せられるため、部屋の中央に置き、輻射熱を360度遮らない状態にする のが効果的だ。とはいえ、薪ストーブばかりを考えて空間のレイアウトを決められるわけ ではなく、どうしてもコーナーや壁沿いに置くことになる場合が多い。そんなときは、なる べく暖気を充実させたい方向に正面を向け、吹き抜け部分にシーリングファンを設置して 空気の流れをコントロールするとよい。熱効率のみならず、煙突を通す位置も十分に考 慮しよう。



A.部屋の中央に設置するとストーブ全体 から暖気が伝わり、暖気の流れにもムラ がなく、室内全体を効率よく暖められる。
B.壁沿いに設置するとストーブからの輻 射熱は正面だけからになり、効果は半減し てしまう。
C.コーナーの場合収まりはいいが、限ら れた面からの暖気しか望めず、他の部屋 への暖気の循環も壁に遮られてしまう。



●炉 台

 レンガや石など不燃材料で作られた炉台(土台)は、薪ストーブにとって必要不可欠な存 在。ストーブを壁沿いやコーナーに設置する場合は壁に沿って炉台を立ち上げることも肝 心。その際、壁と炉台の間に空気層(25Aの間隔)を設ければ壁への余熱がほぼシャットア ウトされ、ログの低温炭化も防止できる。低温炭化とは輻射熱を浴び続けた木材が炭化し 、通常の木材の発火温度よりも低温で発火してしまうという現象。甘く見るととんでもな い災害につながるので、炉台の設置には細心の注意を払いたい。炉台はできるだけ大きく作る方が安全で使い勝手もいい。壁に耐熱処理を施していな い場合は四方にそれぞれ460A外側まで炉台を広げる必要がある。素材はレンガをはじ め天然石やタイルなどが用いられる。

●煙 突
 排煙を行なう煙突は、薪ストーブの生命線ともいえる。炉で暖められた空気によって生 じる上昇気流が煙突から屋外への排煙の流れを作り出すのだが、正しい設置を怠ると煙が 逆流したり、煙突内にタールが付着したりと火災につながる要因を招きかねない。微妙な 調整が必要な煙突の設置には、信頼できる業者に依頼するのが得策だ。?  煙突はできるだけ4C以上の長さでまっすぐに立たせ、屋根の棟よりも高く立ち上げる ようにしたい。そうすることで屋根付近に発生しやすい乱気流から逃れることができ、ス ムーズな上昇気流を生み出せる。さらに、断熱二重煙突の使用を奨励したい。一重では煙 突内の空気の保温性が低いため、煙突内で上昇気流が滞り、冷えることによってタールが 液化して内部に付着してしまう。外気に晒される部分は特に冷え込みが懸念されるので


薪を用意する

●薪の調達

 薪を入手するルートの確保は、薪ストーブを楽しむための重要なポイントだ。山間に立 地している場合は薪の収集に事欠かないが、住宅地だとそうもいかない。しかし、ホーム センターや薪ストーブ専門店などでの購入や材木店、建築現場などから譲ってもらうなど の手がある。最近はインターネット上で薪を購入できるサイトもあるので活用したい。薪には火持ちがよく熱量も高いことから広葉樹が適しているといわれ、ナラやクヌギな どが重宝されている。スギやヒノキなどの針葉樹は火持ちが悪く、煤の発生も多いので薪 には不向きとされているが、燃えやすいので着火時に使える。

●薪割り

 薪割りは大変な作業ではあるが、薪が真っ二つに割れる瞬間は気持ちのいいもの。ただ し危険も伴うので十分に注意したい。まずは道具の準備から。斧は重さや柄の長さなど実 際に手に取って選び、ナタやクサビなども揃えておきたい。丸太を玉割りするならチェー ンソーも必要だ。作業の前には必ず周囲の安全を確認。そして斧の重さを利用し、遠心力で薪の繊維に 沿って刃を振り下ろす。 コツをつかめば余計な力を入れずとも斧が貫通する。太さは薪ストーブの大きさに応じて 調整し、端材は焚きつけ用に細く切っておくといい。


薪のこと

  • ◎木楢 こなら
    ドングリの木として知られる広葉樹。比重が高く火持ちもよいので薪に適す。薪販売店などで簡単に手に入る。
  • ◎椚 くぬぎ
    コナラと同じく薪に適した広葉樹。コナラよりも乾燥が早いので扱いやすい。ただし、入手が難しい。
  • ◎樫 かし
    ブナ科の広葉樹で火持ちがよくて熱量も高い。非常に堅いのが特徴で、薪割りのときにはひと苦労させられる。
  • ◎欅 けやき
    繊維が細かくて堅いので、割ると表面が荒れてしまう。火持ちに非常に優れて、おき火をつくるときなどに最適。
  • ◎林檎 りんご
    ほのかにリンゴの甘い香りが漂う。火持ちがいいので薪として重宝するが、とにかく堅いので割るのが大変。
  • ◎桜 さくら
    燃やしたときの香りが心地よく、スモークチップとして使われる。料理を作るときに使うと風味豊かに仕上がる。
  • ◎アカシア
    比重は高く、火持ちや熱量は中程度なので中焚きに向いている。割るのは比較的困難。
  • ◎白樺 しらかば
    油分が多いので燃えやすく、焚きつけに向いている。樹皮も焚きつけ材として使える。火力はあまり強くない。
  • ◎杉 スギ
    建築現場などで建築材の端材を調達できる。火持ちは悪いが火つきがいいので、乾燥させれば薪として使える。
  • ◎檜 ひのき
    スギと同様に端材を利用できる。火つきがよく、スギよりも乾燥が早いので薪としての使い勝手もいい。

火を着ける

 薪が燃焼しやすいように灰は残したままにし、ストーブ全ての給気口を全開にする。火種には新聞紙を使うのか一般的で、丸めた新聞紙の周りに焚きつけ用の細い薪をたてかけ、新聞紙に火をつける。空気か行き渡るよう薪の間に適度に隙間を設けるのかコツ、薪に火か付いたことを確認したらドアを閉め、火の勢いを見ながら徐々に太い薪を加えていき、おき火を咋る。200°C付近でエアーコントロールを絞り、空気量を調整。250°C前後を保つのがベストだ。
 購入後初めて使用するとさやシーズン初日には、慣らし運転を忘れてはならない。冷え切った状態でいきなり高温にすると鋳鉄や鋼板とはいえ割れるごともある。空気量を調節しながら200°Cで程度で約3時間、これを3~4回繰り返せばよい。慣らし運転には広葉樹の薪を便うのかおすすめ。




このページの先頭へ