白馬に建つ自作のログハウス工房

 

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長野県白馬村みそら野は、別荘やペンション、小さくてしゃれた店の建ち並ぶ一角。 このエリアの最も奥、その先はもう建物のない場所に、クラフト工房「ネイチャーハウス」がある。ネイチャーハウスは、鴨田さんが地元の大工さんの力を借りながら自作した、ハンドカットのログハウスだ。青い三角屋根が目を引く。はじめから工房を 開設するつもりでこのログハウスを建てたわけではなかった。休日に訪れる隠れ家の つもりで作ったが、いつの間にか、住みはじめていた。

白馬村別荘地の最奥に建つ自作のログハウス工房

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 鴨田さんは、デザイナー、フォトグラファー、コピーライターといった職歴を持つ。 仕事の関係でたびたび訪れていた白馬の自然に惹かれて、ここにログハウスを建てる ことにした。豊かな自然環境にいちばん似合う建物だからだろうか、白馬にはログハ ウスの別荘やペンションが多い。
  親しくなっていた地元の大工さんの協力のもと、基礎作りから開始。すぐに大工さん の信頼を得て、ほとんどの作業を一人で任されたそうだ。初めて自力で作り上げたのは、 ウッドデッキだった。自力でログハウスを建てる手応えを感じた。順調に進む作業の中、 苦労したのは雪の中での作業だったそうだが、スキー場で有名な白馬の積雪量を考えれ ばその大変さは想像に難くない。そんな条件の中で作業を続けること自体が、ログハウ ス作りに熱中していた証だろう。
  鴨田さんが流木に出会ったのは、ログハウスの建築中のことだった。建物のすぐ裏手 を流れる沢は、白馬の川の源流域で、人工物にまみれていない澄んだ水を運んでいる。 その流れを眺めているときに、沢の岩にひっかかっている小枝が目にとまった。小枝は 細く長く、下流では見ることのない、まだ木から落ちたばかりの形をとどめている。そ の小枝を見つめているうちに、自然のままの姿のこの枝で何かを創れないだろうかと考 えるようになったという。
ログハウスは、一年の作業期間を費やして、1991年に完成した。

1.工房の奥に作られたキッチン。沢の水を汲んでここで淹れるお茶は、まろやかでやさ しい味。左手の木の枝の取っ手が付いた扉はバスルームの入口。
2.玄関のテラスからもあふれる自然を肌に感じられる。
3.奥様の祐子さん。さすがにごく自然にアクセサリーを身に着けて、祐子さん自身が雪 の中の小枝のよう。実は寒さが大の苦手だそうだ。

風呂上がりに清流で涼み、沢水でお茶を淹れる。 自然と遊ぶライフスタイル

 ログ材は直径30~40cmのダグラスファー。中へ入って見上げると、太い梁の上は、天井 を張らずに2階の床をそのまま見せている。ハンドカットログの魅力が充分に生かされ た作りだ。
  現在は1階が工房の展示スペース、2階が住まいになっている。工房を開設したのは 1993年、東京での生活をすべて引き払い、ログハウスに住むことにしたのは96年だ。 小枝のアクセサリーは、ここで販売される他、自分で手作り体験をすることもできる。
  流木を一年間乾燥させ、磨き上げたアクセサリーは、ふんわりと驚くほど軽く、身に 着けると自然そのものが体に触れる感覚が心地よい。一本一本が違う形をした枝は、そ れぞれ最も美しいアクセサリーに創り上げられる。ネックレスの表裏、ピアスの左右も 創るときに決まっている。色も濃いもの、薄いもの、赤みを帯びたものなど、見ている と小さな自然の世界へ引き込まれていく。
  裏手に流れる沢は、今もその清らかさを保ち続けている。鴨田さんは夏は風呂上がり に裸のままウッドデッキに出て、沢を眺めながら涼むという。沢の水はそのまま汲んで お茶を淹れると、まろやかで甘みのある味になる。 都会での暮らしをリタイアし、自然を享受して生きるライフスタイルへと、舵を取り 直した。小枝から発信される創作活動に、これからも注目し続けていきたい。

 
6.工房の展示スペース。太い梁から吊されたブランコもある。
7.階段を上がると、祐子さんと二人暮らしの居住スペース。

ネイチャーハウスを訪ねてみませんか

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白馬村の別荘地、みそら野の最奥を訪ねれば、ハンドカットのセルフビルド・ログハウス と、流木から創られたアクセサリーに出会える。工房ではアクセサリーの展示・販売の他、 手作り体験も行っている。
●ネイチャーハウス
[電話]0261-72-7505 [住所]長野県白馬村みそら野最奥
[営業]9:00~日暮れまでオープン/無休

ログハウスに住むVOL.3より転載


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